JAWS SONIC 2026 神戸支部の登壇の裏話
2026年9月5日12:00 から翌日 6日の 12:00 までの 24 時間ぶっ通しで開催された JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWS に神戸支部としても登壇しました。
今回は、その神戸支部として登壇した際に利用した IoT ロボットカー製作の話、そして当日のちょっとした裏話です。
イベントの概要など
- イベントページ:JAWS SONIC & MIDNIGHT JAWS 2026 — THE MARATHON
- 神戸支部の詳細ページ:繋がるマシン!弾けるピン!みんなで起こす大スピン! 〜AWS IoTではちゃめちゃロボットカー大戦〜
企画が決まるまで
初回の打ち合わせ
当日の登壇時にも触れたのですが、JAWS-UG 神戸の運営会議の中で、神戸支部としての登壇をどうしようか話し合っていました。
記録によると 7月2日 に開催した打ち合わせで大まかな方針が出ており、以下のようなことを話し合っていました。
- なにしゃべりましょうかね
- 支部の人も参加できるコンテンツ
- どこかに集まって一つの登壇をする、何かを作って持ち寄る
- ヤマダさんのラーメンの LT の構成のような(補足:ヤマダさんが会社の勉強会で披露していた これ を指しています )
- 作って壊す
- QR、アンカースレ
- くす玉があってみんなでボタンを押してサイトなどをアタックする
- HP を攻撃するような
- ジェンガを壊す、はちゃめちゃに動くラジコン
- Kiro が DJ するやつ
- よそは一ヶ所に集まってワイワイ配信、なんて支部もあるようです
- BEKOBE
- メリケンパーク・ポートタワー
- モザイク
- 異人館
- 南京町
- 東遊園地
- パイ山(補足:もうなくなってしまいましたが、阪急の神戸三宮駅北側にあった "さんきたアモーレ広場" の通称です)
さすがにその日では決めきれず、次回打ち合わせまでに各自お題を考えてこよう、となりました。
宿題を Kiro に聞いてみた
運営会議の中で「ジェンガを壊す、はちゃめちゃに動くラジコン」を上げていましたが、何気なく「卍 型になるようにタイヤを 90° ずつずらして設置した変な車はどうだろう?」のように発言しました。
基本的にそのアイディアに引きずられていたので宿題でもその方針で考えてみようと思い、Kiro CLI に壁打ちを始めました。
Kiro もなんとなく意図を汲んでくれて、企画書みたいなの作れる?と聞いたら以下のような資料を作成してくれました。(なお、基本的には普段の登壇資料を marp で作成しているので、そのあたりも汲んでくれて、marp でサクッとまとめてくれています)
調子に乗った私は、設計ドキュメントも作ってみようと思い、設計してみて?と依頼し markdown で書いてもらいました。
作成された設計ドキュメントを利用して、以前いくつかのセクションの寄稿に関わった みんなのAWS推しポイント100本ノック の時に知った vivliostyle という CSS 組版の仕組みを用いて、それっぽい電子書籍風にしてもらいました。
実際には完全に作業分担していて、フロントエンドとバックエンドの実装はヤマダさんが実施してくれているので、そのあたりの詳細な実装は異なるはずですが、なんとなくそれっぽい設計書ができています。
なお、当初は Raspberry Pi Zero 2 W を使う想定で設計書を書いてくれていたのですが、現物が入手困難だったため、Raspberry Pi Pico を使う方針で修正してもらっています。
2 回目打ち合わせ
2 回目の打ち合わせの議事録では以下のような感じとなっていました。
何かしらの車を作った上でボウリングのピンをめがけて動かし、ピンを倒すというゲーム性のところまではふんわりと合意しています。
ただ「誰が」動かすか、「どこで」動かすかは決定せず、車として作れるか?をいったんやってみようということになりました。
なお、このタイミングくらいでセッションタイトルの仮提出が迫っていたので、そちらを優先して決定しよう、となりいろんな案出しをしています。
タイトル案は「韻を踏ませたいね!」とか言いながら、その場で各自が手元の生成 AI を用いて検討しました。
ただ、「リズムの良さ」と「韻を踏んでいること」そして「面白さ」を生成 AI に理解してもらうことが難しく、ヤマダさんと(たしか)Gemini による案が採用されました。
私はタイトル案出しに Kiro CLI を使っていましたが、リズム感と面白さには欠けていた印象です。
- streamyard に入る
- 10 人までは入れるっぽい
- 運営 3 人が一画面
- 俯瞰カメラ
- 車載カメラ
- 参加者はランダムで=視聴者が QR にアクセスしてもらう
- 前説
- スタート
- 倒すピンにはシャチを貼っておく
- 倒すピン側も動くw
- タイトル案
- 繋がるマシン!弾けるピン!みんなで起こす大スピン!
〜AWS IoTではちゃめちゃロボットカー大戦〜AWS IoTで大暴走!みんなでピンをなぎ倒そう!- 一斉アクセス!ピンを倒して超サクセス!
〜AWS IoTロボットカー・カオスバトル〜- AWS IoT(アイオーティー)!ピンを倒して大勝利(ダイショウリ)!
- 狙えストライク!突撃ロボットカー!AWSでピンを大破(タイハ)!
- 「楽しく倒そう!みんなで動かすIoTラジコンボウリング」
- 「オレ達は1人で運転したいんじゃない!みんなでピンを倒したいんだ!!」
- 大量同時接続をどう捌くか 〜参加型IoTラジコンで学ぶサーバーレス設計〜
- 参加型IoTコンテンツのつくりかた 〜設計・遅延対策・当日運用まで〜
- リアルタイム性と同時接続数の両立 〜群衆制御ラジコンの設計と検証〜
- 視聴者参加型IoTラジコンをサーバーレスで実装してみた
仮テスト
2026年8月11日 に開催する 【JAWS-UG 神戸 #14】AWS BuilderCards 体験会 で仮のテストをしておこう、としました。
その日に間に合うように部品調達し、AWS IoT Core から指令が飛んでくる想定で、Raspberry Pi Pico とモータードライバーを動作させるテストプログラムを作成を進めました。
フロントエンドとバックエンドは、先の設計書に準じて Pico が待ち受けている想定でヤマダさんがモックを作ってきてくれる形となっていました。
8月11日 に現地合流した際に、AWS IoT Core へのモノの登録を行いましたが、その際も Kiro に聞きながら登録手順を確認し証明書の作成手順を確認しています。
また Raspberry Pi Pico(というより micro Python) の場合は PEM 形式ではなく DER 形式の証明書が必要なのですが、そのあたりのことも Kiro が教えてくれました。
AWS BuilderCards 体験会のイベント準備の合間のちょっとした時間で MQTT からの指令を受けてタイヤを動かすことができ、想定しているものが作れそうだという実感を得ました。
その後、当日に向けて
ただ、なんやかんやと仕事にかまけてしまって、ちゃんと IoT ロボットカーと平日に向き合うことができず、結局登壇時の状況に組み上げられたのが当日の午前中でした。
それまでに家で動かしていた時には、どうも自宅のフローリングと TT Motor 用のタイヤの相性が悪いのか、滑ってしまって空転することが多くありました。
それらも踏まえて、結局現地の状況も踏まえて最終調整をする必要性はあるなと判断して、ジャンパーワイヤーやタイヤの固定はせず、最終でいかようにも組み替えられる状態のまま持ち込むことにしました。
当日、そして大いなる反省
個人的にはヤマダさんが作ってくれたフロントと私の家にある現物を使いながらテストを繰り返していたので、支部のメンバーが揃っていなくても登壇し、ゲームを開催できるだろうという感触は得ていました。
ただ、レンタルルームを借りて集まっておきそこで登壇しよう、と決定し、せっかくだから見守っていただける方が来られるようにサテライトイベント的に企画しました。
最終的に物理集合し、いろんな方を呼んで配信するという決断が成功(したのか?)の元だったと考えています。
ただ、現地での相性は引き続き悪めでした。
タイヤに輪ゴムを巻いてグリップ力を高めたり、モーターの回転数の指令を変えたりしながら調整しましたが、結局 90° ずつタイヤの軸がずれているという構造上、一つのタイヤだけが動いても推進力にはつながらず、運よく複数のタイヤが同時に動くときに進みやすい傾向などもわかり、当初の計画のまま配信を迎えることとしました。
結果
リアルタイム・アーカイブ問わず配信をご覧いただいた方はご存知だと思いますが、まあ散々な結果でした。
最終的にはピン側を車に近づける始末…。
一般公開されることがあれば、ぜひご覧ください。たぶん 2 度と再演できません。
闘いの跡
— kazzpapa3 (@kazzpapa3) September 5, 2026
と、予備のピン#jawssonic2026 #jawsug #jawsug_kobe pic.twitter.com/0bqKdyHK5R
いただいた反応など
QRよめぬ。。。#jawssonic2026 #jawsug
— ホワイトバード先輩 (@whitebird_sp) September 5, 2026
QRコードが読み取れない!
— かもがしら(けんた) (@kamogashira) September 5, 2026
#jawssonic2026
これは本当に考慮不足!
「微動だにしません!」
— 減量中のYonezawa 🍙 (@takuya_y0ne) September 5, 2026
腹抱えてわろてるww#jawssonic2026 #jawsug
まじで現地で見て、笑い転げ回ってほしかった
当日に懺悔の内容増えてくの草#jawssonic2026 https://t.co/pyLItrTrjE
— Kana Kitagawa/たいがー🐯 (@knuna_t) September 5, 2026
当の本人もこの未来は予測できてませんでした
これ最高過ぎる。#jaws#jawssonic2026 https://t.co/AUrGIIt13W pic.twitter.com/IXRM7jOVKf
— てつてつ(いなむら てっぺい) (@tetutetu214) September 5, 2026
東京での配信拠点では大いに盛り上がってくださったそうな
今のは一体...笑
— くらっち (@kuracchi_enj) September 5, 2026
神戸支部の後じゃなくてよかった... #jawssonic2026
私も本当にそう思います
こ、この後登壇するって本当ですか????#jawssonic2026
— アキキー☕️ Akihisa Ikeda (@akikii__) September 5, 2026
私も本当にそう思います 2
CDK 支部の登壇のタイミングで「アキキーさんがんばれ!」的な声援が飛んでいたのがやさしい世界だな、と思いつつその原因はこっちだもんな、と少々複雑な気持ちでした
面白いので、今回の登壇はチーン音なしで終わらせます#jawssonic2026
— Yoshimi (@yoshimi0227_) September 5, 2026
前原さんの英断!
「おっしま~い♪」が完璧にハマってたw#jawssonic2026 #jawsug
— Journeyman(ジャニ)🍑🥟ONL9/16, 9/26は現地 #jawsug_tochig (@beajourneyman) September 5, 2026
からの、完璧なめありーボイスによる強制終了
その他ヤマダさんによるツイートまとめ:jawssonic2026 神戸支部関連まとめ
反省点
- 現地での実施がほぼ初回の結合テストの様相を呈していたこと
- 初めて使うレンタルルームだったので現地のレイアウトや設備などもわかっていなかったこと
- 机上の設計では動作することが予見できていたが、入念なリハーサルを実施できていなかった
- 結果として音声トラブル発生時や Raspberry Pi Pico と IoT エンドポイントの疎通がうまくいっていなさそうな局面でばたついてしまった
- 配信に載せる部分の考慮が甘かった
- ラグが発生することは想定していたので、厳密なリアルタイム性を求めると難しい点は想定していた
- ただゲーム参加のための QR コードがぼやけてしまうことまでは考慮しきれておらず、代替で伝える手段の用意ができていなかった
- IoT ロボットカーの組み立てのチープさ
- タイヤやモーターの取り付けやシャーシの設計などをちゃんとやっておき、完璧な車に仕上げておくべきだった
- タイヤはボンドで固定したんだけどね…
- タイヤやモーターの取り付けやシャーシの設計などをちゃんとやっておき、完璧な車に仕上げておくべきだった
- 直後の登壇者に大いなる動揺を与えてしまった
- @akikii__ さん、本当にごめんなさい
よかった点
- 提出したセッションタイトル通り、はちゃめちゃな展開にすることができた
- 提出したセッションタグの通り、大いに "技術の無駄遣い" をすることができた
- 急な実況モードのテンションの完璧さが功を奏した(ここは本当にヤマダさんのアドリブ力に感謝)
- 真面目に馬鹿げたことをやることができた
- レンタルルームを借りて、かつ、サテライト会場的に見にきていただく枠を設けてよかった
- 結果的にピンを近づけてくださったのは群馬支部としての登壇を終えた岩瀬さん。片棒担いでいただいてありがとうございます
- Raspberry Pi Pico のインターネット接続は、GL.iNet GL-SFT1200 (Opal) としていた
- 実施拠点に合わせて Raspberry Pi Pico 側の Wi-Fi 接続設定をこまめに変える必要性を排除できたのはよかった
- もともとヤマダさんとの神戸支部リブートの時に「IoT を中心に」って言ってたのに、ほぼ IoT のことをやれていなかったので、ちゃんとやれてよかった
- 神戸支部に参加いただいたことのある方を中心に、神戸っぽかったと評していただき、支部の紹介動画としては雰囲気が伝わるものにできた
学び
- 生成 AI の登場によって、設計から組み立て方を含め、ものづくりに対しても支援を得ることは容易になった
- それらしい仕様書の作成もでき、それを共有することで対面回数が多くなくても分業でものづくりができた
- ただし、テストは大事
- 結局は物理、そして物理は怖い