JAWS-UG 栃木 #2 参加レポート
2025年5月24日 に栃木県小山市の小山商工会議所会館で開催された、「【満員御礼】JAWS-UG 栃木 # 2 オフライン開催!」に参加した際のレポートです。
参加を決めたのは1週間前でしたが、以前の私の登壇をご覧いただいてその内容をとても持ち上げてくださっているジャニさんとの取り組みや、私の登壇内容を中心にまとめます。
イベント情報
connpass ページ:【満員御礼】JAWS-UG 栃木 # 2 オフライン開催!
内容(まずは私が関わったこと中心)
「AWS パートナー企業のテクニカルサポートが日々思っていること 〜そして、4/15 の現場から〜」JAWS-UG 神戸 市野
私が登壇した内容です。
内容自体は昨年4月に福井で開催された JAWS-UG 北陸新幹線でお話しした内容とほぼ一緒ではあったのですが、少しアレンジを加えたことと、4月15日に東京リージョンで発生した AZ 障害の話を織り込んで話しました。
参加型トークセッション:アラート発生!その時、あなたは? 市野さん & Journeyman
JAWS-UG 栃木の運営のお一人であるジャニさん( @Journeyman )と共同でファシリテータのような立ち位置で会場の皆さん全体を巻き込みながら実施したチョークトーク的なコーナーです。
元々、このイベント自体への参加をジャニさんに伝えたのがイベントの1週間前でした。
今回私が登壇した際にお話しした内容のパイロット版でもある JAWS-UG 北陸新幹線の登壇をご覧いただいていてご自身のチーム内に展開してくださっていたり、私が普段考えていることなどをご存知だったということもあり、そんな市野が来る、ということで大枠の構成を考えてくださっていました。
セッション冒頭でもお話ししたのですが、前日の晩に1時間ほど通話をして軽く打ち合わせをしただけで、当日お昼に栃木入りするので一緒に昼を食べながら詳細詰めよう!って言っていたもののジャニさんが本業側でアラートを喰らってしまい実現せず当日を迎えた感じでした。
ただ、トップバッターの AWS 尾崎さん、私の話と少し障害や運用で疲弊する系の話題がたまたま数珠繋ぎになったこと、東京リージョンの AZ 障害からひと月ほどということもあり割とホットな話題だったこともあったので、会場に大なり小なり辛酸を舐めた方々が多く、とても盛り上がる内容になりました。
即興型のイベントで録画などのアーカイブなどもないためご発言いただいた方々の全てのお話を記載できないのが残念ではありますが、共通の話題で盛り上がることができ、かついろいろな方の体験を伺える面白い試みだったと思います。
皆さんのご登壇とその資料など
「トイルを撲滅!インフラ領域での生成AI活用のススメ」AWS 尾崎さん
トイル=労苦という意味らしく、インフラ領域における「トイル」に着目して生成 AI の活用の可能性をお話しいただきました。
ただこの後、私の登壇が控えていたこともあり、ほぼ内容が入ってきていなかったのでもう一度資料をちゃんと読み込んでおきたいと思っています。
確かに障害対応の難しさとして「学習機会の少なさ」は頷ける内容でした。
私の部署でもお問い合わせが千差万別で OJT や研修中に「ちょうどいい問い合わせ」が来ないこともあり、実チケットを見てもらった上での対応方法の習熟が難しい課題感がありとても理解ができる内容でした。
Amazon Q Developer for CLI や MCP を活用したアプローチをご案内いただきましたが、会場に挙手を求めていた Excel 設計書の運用をしておられる方が多かったことにも驚きでした。
「VPC Reachability Analyzer~実務での使いどころ」 モブエンジニアさん
イベント参加レポートのアップが宇宙最速と定評のあるモブエンジニアさんのご登壇。
VPC Reachability Analyzer の概要と使い所、うまくハマらないようなケースをご説明いただきました。
特に、EC2 ←→ EC2 の間の通信の場合、異なるリージョンや異なるアカウントにまたがる場合、送信元/先に設定することができないといった落とし穴があることにも注意が必要そうだと思いました。
AWS FISはドSなのか?システムに試練を与えて強くする! 深津さん
既存の AWS 環境に任意の障害を注入できるサービス AWS FIS(AWS Fault Injection Service)についてのお話をいただきました。
元々 JAWS-UG 神戸の共同運営メンバーであるヤマダ(北野)さんが好きな AWS サービスの一つでもあり、4月の AZ 障害をほどよく忘れたであろう7月頃に JAWS-UG 神戸でもハンズオンをやってみようと検討していたサービスについて概要とご利用いただいた際の所感をお話しいただきました。
ECS に対して試練を与える方法がなるほど難しそうだ、と伺いながら納得しましたので、神戸でのハンズオンの際にも見てみたいと思いました。
TerraformとGitHub Actionsで手軽に実装するECSのCI/CDパイプライン 高木さん
なんとこの日社外登壇初チャレンジだったという高木さんのご登壇。
ECS にデプロイするアプリケーションの CI/CD について、栃木の運営のお一人である ひやんがさん のブログを参照して実装を進めていたとお話しいただき、ひやんがさんも過去にご自身が体験された内容に近しい登壇申し込みだなぁと思われていたようで、まさかの点が繋がった瞬間でした。
いろいろなアプローチは考えられるものの、チーム内のスキルセットや構築の容易さを考慮して行き着いた現在の構成についてお話しいただきました。
LLM時代のIaCは何がいいのか2025 bohnenさん
「今日は TiDB の話はしないけど、4/15 の影響は受けかったよ(キリッ」とのご案内から始まった PingCAP の bohnen さんのご登壇。
IaC ではたまに宗教戦争的な議論が起きるがそれは「人間が使おうと思った場合の話」。
なので、生成 AI の観点では違うのではないか?という思いから試してみようと思ったものの、資料の冒頭部分だけできている状態で迎えた登壇当日。
途中でごめんなさいー、という流れにするつもりが Amazon Q Developer for CLI が全てやってくれてしまったというお話し。
資料のほかに Amazon Q Developer for CLI に与えた spec.md とそれに対する結果もリポジトリで公開してくださっているのでちゃんとみてみる。
CloudWatch × MCP 神さん
青森なんだか千葉なんだか、いつもどこにいるのかわからなくなってしまう(SNSを見るとワープしているように見える)神さんのご登壇。
Amazon Q Developer for CLI や MCP についてネタかぶりしちゃってごめんね!とのことで今年も参戦予定という re:Inforce のご紹介を終えてから、急遽ライブデモを実施くださいました。
大量に抱える CloudWatch Logs の見える化や一定期間ログ保存が見られないロググループの抽出といった実用的なユースケースを自然言語で扱える様子をご披露いただきました。
確かに有用だと思うものの、「消して」と頼めば本当に消し去りそうでもあると思ったので、ローカルの aws configure ではあまり強い権限を持たせすぎないようにしないと怖いなとも思った次第。
ただの営業マンがPollyを使って英会話アプリを作ってみた 西さん
界隈の営業ロールの方々の中でおそらく一番登壇したりやってみた系をトライされているんじゃないかと思われる西さんのご登壇。
栃木といえばジャニさん、ジャニさんといえば Polly だろうということで取り組んだ英会話アプリ構築の際の気づきや学びをご共有いただき、作成したアプリのデモもご披露いただきました。
どうも周囲でインド英語でご苦労されていることもあるようで、インド英語モードも選べたらいいね!という関西人に起因するような発想があったり、デモ中にめっちゃ英語喋れる人なんや!という驚きがあったりもしましたが、夜な夜な作成されていたという英会話アプリも無事動作していました。
雑記
イベントの公開当初の様子を見ても特にジャンルに縛りを設けず広く一般公募したと思われる LT 枠と、招待枠の AWS 尾崎さんの話が自然と繋がっていてとても楽しいイベントでした。
東京リージョンの AZ 障害からひと月ちょいというタイミングでもあったため、事象を念頭に置いたような話や MCP や Amazon Q Developer for CLI などの話題に集中していたのも、それだけホットなキーワードであることの裏返しでもあるので、いろいろな生の声が聞けるオフラインイベントならではの体験でした。
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イベントの参加型トークセッションの最後でも話が出て、会場にいらっしゃった方も多く執筆参加されていた薄い本の詳細ページができたようです。
総ページ数 412、本文 408 ページとのことで、目次だけでも 4 ページある鈍器ぶりらしく「薄い本とは?」ということ間違いなしの本に仕上がったようです。
私もいくつか寄稿したし、せっかくなので技術書典リアル初参加してこようかと思っています。
- 本の紹介:みんなのAWS推しポイント100本ノック
- 技術書典について:技術書典18