完全無欠な ReadOnlyAccess を目指して… 3/3
全てのアクションが網羅されているわけではない ReadOnlyAccess を完全無欠なものとすべく計画したシリーズ第三弾の投稿です。 一旦、目処がついたのでこのシリーズとしては完結編とできそうです。
また作成したプログラムは GitHub にも公開しているので、適宜ご利用いただけると幸いです。
前回の記事はこちら
AWS 側のアップデートによる方針の変更
前回までは、網羅的な情報がないことから、AWS 公式ドキュメントからスクレイピングするような形で解析を試みていました。
その後、完全無欠な ReadOnlyAccess を目指す個人的な企みをサボっている間に、AWS 側にアップデートがあり、2024年10月10日に service reference という情報の公開がされるようになりました。
Streamline automation of policy management workflows with service reference information
service reference について
詳細は、上記の What's New AWS の記事や 公式ドキュメント から確認できますが、大元の service reference information にアクセスすることで、サービスプレフィックスとそのサービスプレフィックスの AWS API リストへの URL が返されるようになっています。
そして各サービスプレフィックスごとの URL へアクセスすることで、該当のサービスプレフィックスで用意されている API アクション名が JSON 形式で入手できるようになり、今後メンテナンスがされていくものと考えらえます。
service reference の仕組みを利用して完全無欠な ReadOnlyAccess を目指してみる
せっかく網羅的な資料が公開されるようになったので、service reference を活用して、AWS 管理ポリシー ReadOnlyAccess で網羅されていない AWS サービスや AWS API アクションを網羅してみるように方針変更をしました。
当初、単純に大元の URL から各サービス向けの URL を取得してループを回しながら全ての読み取り系アクションを一覧にしてみる方針でスクリプトを作ってみました。
その際、Get
、List
、Describe
で始まる AWS API アクションに限定したのですが、抽出結果から組み立てた IAM ポリシーは 11,000 バイトを超える分量になってしまい、単一のカスタマーマネージドポリシーとして成立しない状況でした。
そのため、おとなしくデフォルトの ReadOnlyAccess と突合し、すでに ReadOnlyAccess 側で ${service-prefix}:{action-verb}*
のような形式で記載されているサービスプレフィックスは除外しつつ、アクションもワイルドカードでまとめるような形とすることで何とか単一のポリシーに収まるようになりました。
ただ、一旦は Get*
、List*
、Describe*
と View*
で始まるアクションのみに限定していること、前回確認した API Gateway でみられるキャメルケースではない形式は無視しているなど最低限の内容となっている点が改良ポイントかと考えています。
また、作成されるポリシーは AWS 管理ポリシー ReadOnlyAccess に含まれていないポリシーとなっているため、運用する場合は ReadOnlyAccess とこの仕組みで作成されるポリシーを併用することで完全無欠(に近づく)こととなり、ReadOnlyAccess のアタッチ自体が不要になるわけではない点にご留意いただく必要があります。
作成用のサンプルプログラム
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上記のサンプルプログラムで作成したカスタマーマネージドポリシー(20204-12-26 時点)
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おわりに
当初は AWS 側で網羅的な資料がないためにスクレイピングで無理やり情報を収集・集約するアプローチにしていましたが、放置している間に AWS 側から網羅的な資料が公開されたので、一気に形にできた感じで、いい感じに年を越せそうです。
GitHub にも公開しましたのでフォークいただきご要件に合わせた調整をした上で、ご活用いただけると幸いです。
本記事がどなたかの参考になれば幸いです。
ではまた。